データから見るインフルエンザ動向。インフルエンザの流行は検索からわかる
今年も猛威を振るうであろうインフルエンザ。
今回は、インフルエンザの流行について、「インフルエンザ」というキーワードの検索ボリュームから考えられることを取り上げていきます。
まず、ここ10年間の検索ボリュームの推移を見てみましょう。
上記のグラフでは、例年1月または2月において「インフルエンザ」というキーワードの検索ボリュームが1年で最大になっているということがわかると思います。
しかし、10年間のうち1年だけ他の年とは検索ボリュームの推移が異なる年があります。
それは、2009年です。2009年の検索ボリュームは5月に一度ピークを迎え、10月に二度目のピークを迎えます。 なぜ、2009年だけ検索ボリュームの推移が他の年と異なるのでしょうか。
すでにわかっていらっしゃる方も多数いらっしゃるとは思いますが、2009年には豚を由来とする新型インフルエンザが世界的に流行していました。 新型インフルエンザが流行年なので、「新型インフルエンザ」や「豚インフルエンザ」と言ったキーワードの検索ボリュームについても調べて見ましょう。
やはり、新型インフルエンザによって、「インフルエンザ」の検索ボリュームを押し上げていたと考えて問題ないでしょう。
また、感染症週報(以下のグラフ)で確認しても2009年のインフルエンザの流行は、例年以上ということが、41週を見るとわかるでしょう。
また、2016年2月は、新型インフルエンザが流行した年以外で最も検索ボリュームが多くなっていることがわかります。 検索ボリュームから、インフルエンザが例年よりも流行したと考えることができます。
そこで、厚生労働省が公表している、インフルエンザの発生状況についてのデータを見てみましょう。
出典:厚生労働省『感染症週報 2016年第11週(3月14日〜3月20日):通巻第18巻第19号』
上記のグラフから考えられることは、2015年末から2016年にかけてのインフルエンザの流行は、例年に比べて流行が収まるまでに少し時間を要していると捉えることができます。
さて、国内のインフルエンザの検索ボリュームの動向から特に注目できる点は2009年の新型インフルエンザと言っても過言ではないでしょう。
では、新型インフルエンザが流行した2009年のインフルエンザの検索数を日本語と英語(flu)で比べて見たいと思います。
周りの年と比べると、2009年におけるインフルエンザの英語検索ボリュームは、日本語の検索ボリュームに対して、非常に伸びていることがわかります。
海外では、インフルエンザをそこまで気にしないということもあるでしょうが、やはり2009年の新型インフルエンザのインパクトは大きかったようです。